下地粉の製造。
福井県の特産である笏谷石を砕いて篩にかけ下地粉を製造いたしました。笏谷石は朝倉氏遺跡の石仏に使われるなど戦国時代にも使用の認められる材料です。また分析によると朝倉椀の内上級品の下地粉は火山岩由来の岩石であったことが分かっており、笏谷石はその条件にも適っています。作業も思いのほか順調に進み、作業性においても優れた下地粉だと思いました。
石の下地。
この前砕いてもらった石の地の粉を使って下地をしてみました。 軽くペーパーを当てた感じは普段の輪島地の粉より硬いです。まだ1回目ですがケヤキの木目も大分埋まっているので地の粉として充分使えます。(二平)
朝倉椀の下地。
朝倉椀の下地終わり 砥石と水ペーパーで研いだらいつもの下地よりすべすべな手触りです。 研ぐのもやっぱり石の粉だからかいつもより硬くて時間がかかりました。 輪島地の粉がいつか手に入らなくなったらこれを使います。(二平)
朝倉椀の中塗り。
令和4年6月11日、12日、17日、18日
クラウドファンディング寄付者の方に中塗りを体験していただきました。現代の轆轤とツクを利用した塗り方とそれ以前の塗り方を体験して比較していただきました。轆轤を用いない塗り方で体験していただいたお椀は、池田町のケヤキ木地に笏谷石の下地をほどこしたお椀です。朱漆で上塗りをして朝倉椀として完成させます。
朝倉椀では中塗りを黒漆で塗り、上塗りを朱漆で塗ります。上塗りをして乾燥したところでお椀の仕上がりとなる一発勝負の塗立てという仕上げ方法です。それだけに塗立ての上塗りは大変に気を遣う作業です。
上塗り。
中塗りを砥石と木賊で入念に研ぎあげておきます。いよいよ上塗りです。まずは洗朱の漆から。椀の内側を塗り、次に外側を畳付きの手前まで塗ります。上渕は塗らずに残します。
畳付きと上渕に板をあて椀を挟むようにして乾燥の為の風呂(ムロともいう)に入れます。最初は5分と待たずに上下をひっくり返していきます。手返しと言う昔のやり方です。手返しでは機械による回転風呂と違い厚く塗ると漆がダレやすいので薄く塗っています。
四日後、だいたい乾いたところで上渕を洗朱で塗ります。
さらに四日後、畳付きと高台内側を黒漆で塗ります。
黒漆が乾けば完成です。
朝倉椀チャレンジではいろいろと試してみる中で、戦国時代の方法と現代の方法を斑にした仕事も多くこなしました。その中で左写真の二客だけは妥協することなく戦国時代の方法にこだわり頑張って仕上げた椀です。戦国時代の職人さんには笑われるような出来ですが、とりあえず朝倉椀として胸を張れる椀が出来たと思います。それにしても戦国時代の職人さんはすごかった。